今の職場で出世したり、転職を成功させたりするためには、自分の価値を認めてもらう必要があるよね。どうすればいいだろう。
自分というブランドを強くしよう。
僕は森岡毅さんの著書「苦しかったときの話をしようか」を参考に、自分のブランド設計を考えてみたよ。
「今の職場で認められるため、自分の評価を高めたいけど、その方法がわからない」
「転職したいけど、アピールすべき自分の強みを明確にすることができない」
そんな悩みを持つ方は、森岡毅(もりおか・つよし)さんの書籍「苦しかったときの話をしようか」に掲載されている「自分をマーケティングせよ!」を実践してみてはどうでしょうか。
私自身、「自分をマーケティングせよ!」を参考に自身のブランド設計を考えてみましたので、この記事で紹介します。
この記事を読んでいただければ、自分をブランディングする具体例がわかりますので、ひとつの参考にしてください。
なお、自分をブランディングする前提として、自分の強みを認識する必要があります。
森岡毅さんの書籍では、「自分をマーケティングせよ!」の章の前に、「自分の強みをどう知るか」という章がありますので、まずはそちらから実践することをおすすめします。
下記の記事は「自分の強みをどう知るか」を実践したものです。よかったらこちらの記事も参考にしてみてください。
自分をブランディングするとは?
ブランドとは、その記号が人間に想起させる「意味」であり「価値」です。
自分をブランディングすることは、評価されたい相手に自分という商品を買ってもらうための戦略になります。
自分をブランディングする効果
書籍では、自分をブランディングすることによる効果が3つあげられています。
- プレゼンや面接で緊張することから解放された人生を送れるようになる
- 自分のキャリア戦略の最重要な指針として機能する。どんなスキルを開発すべきなのか、どんな業界でどんな実績を積んだ方がブランド(自分)は強くなるのか、都度の判断が明瞭になる
- 最初は理想の割合が多かった設計図にも次第に現実の実力が追いつき、結果として自分の名前で勝負できるビジネスパーソンになれる確率を激増させる。自分のブランド・エクイティーが縦に積み上がっていく。
ブランド・エクイティーとは、「ブランドの持つ資産の集合体」のことです。ブランドが持つ価値、とざっくり考えておけばいいのかなーと思います。
自分をブランディングする方法(ブランド設計図)
自分をブランディングするために、マイブランド設計図をつくります。設計図のフレームワークは、「ブランド・エクイティー・ピラミッド」という三角形のピラミッドです。
ブランド・エクイティ・ピラミッドの構成
攻略する市場
自分のブランド設計をするうえで、まずは攻略する市場を設定します。
ブランドが参入する活動領域(戦場)を定めるのです。
つまり、自分というブランドをどこに売り込みたいか、ということであり、現在の職場で出世したい人ならば、「現在の職場」と考えるでしょう。
しかし、書籍では、中長期のキャリア戦略を考えたとき、活動領域は自分の会社だけにとどめるべきではなく、もっと大きな市場を想定することを勧めています。
WHO(だれに?)
攻略する市場が決まったら、次はターゲット設定です。
市場を攻略するために、「誰に」自分というブランドを売り込むべきか、集中して労力を投下すべきかを考えるのです。
ターゲットは次の観点から設定します。
- ST(戦略ターゲット)
- 自分のブランドイメージの印象を残すべき人々
- CT(コアターゲット)
- 戦略ターゲットの中で、さらに自分の労力を投下すべき相手
現在の職場での出世を望むならば、ST(戦略ターゲット)は自分の評判を形成するあらゆる人々(同僚ほぼ全員)、CT(コアターゲット)は直接的な人事評価や人事異動を決める上司や幹部になるでしょうか。
WHAT(なにを?)
攻略する市場が決まり、ターゲットも設定したら、「何を売り込むか」という問題になります。
自分というブランドの本質的な価値を定義するのです。
ブランドの定義は、次の2つの観点から設置します。
- 便益(ベネフィット)
- 購入者がそのブランドを買う本質的な理由(企業がその人材を採用したり登用したりする価値)
- RTB(reason to believe)
- 便益を信じさせる根拠となるエビデンス(証拠)
例えば、組織内における自分の価値(便益)は「抜群の経理能力」であり、RTBは「簿記1級の資格を持っていること」、とアピールすることができれば、ターゲットに訴求できそうですね。
HOW(どうやって?)
最後に、自分というブランドを「どうやって買ってもらうのか」を考えます。
「便益を提供する主な手段」と「ブランド・キャラクター」を設定していきましょう。
- 便益を提供する主な手段
- WHATで定めた自分の便益を、WHOで定めたターゲットに届けるための仕組みを表現する
- ブランド・キャラクター
- そのブランドを人格に見立てたときに、ターゲット(WHO)からどのような人柄だと思われたいか規定
例えば、自分の便益を「抜群の経理能力」と設定した人ならば、その手段は、「シングルチェックを怠らず、ミスがなく正確に経理できること(上司にとっては安心感がある)」といった感じでしょうか。
ブランド・キャラクターは品行方正、粘り強い、とかですかね。
ブランド・エクイティ・ピラミッドを作成する際の留意事項
ブランド・エクイティ・ピラミッドによるブランド設計では、近未来のなりたい自分をデザインします。
自分は将来こうなりたい!、という願望で作成すれば良く、誇張してもOKとのこと。
ただ、誇張はOKでも、自分の本質(軸)からぶれてはいけません。自分と別人格を演じるのではなく、あくまで自分の本質の延長線上で考える必要があります。
【実例】当ブログ運営者が作成したブランド設計図(ブランド・エクイティー・ピラミッド)
さて、私自身、ブランド・エクイティ・ピラミッドをつくってみました。
攻略する市場は、本来はもう少し大きなくくりで考えるべきなので、「現在の職場」というのはイマイチですね。でも思いつかなかったんです・・・。
戦略ターゲットは同僚全員です。コアターゲットは、上司と人事部、そして後輩に設定しました。後輩をコアターゲットに含めたのは、後輩の育成能力を自分の武器にしたいからです。
さて、ここから自分というブランドを誇張していきます。
便益は2つ考えました。問題に率先して取り組んで解決する能力と、後輩育成能力です。
私は平凡な事務を順風満々にこなすよりも、多少の苦労があったとしても問題事案に取り組むほうが好きです。この強みを活かしたいと思いました。
また、後輩の良いところを探し、価値を認め、大きく羽ばたいて欲しいという気持ちを持っています(おこがましいような気もしますが)。これも強みとして活かすべきと考えました。
自分の便益を思いっきり誇張していますので、RTBについては実際にはまだ持ち合わせていません。
でも、こうして自分の理想を文字化したことで、ここで書いたRTBの習得に向けて努力すべきだということが分かります。
「WHAT(何を)」と同じく、「HOW(どうやって)」も思いっきり誇張させています。
でも自分の強みや願望を踏まえて考えましたので、自分の本質(軸)からは、ぶれていないはず。
この「HOW」で設定した未来の自分を意識して、日々、現実の自分を近づけていく努力をすればいいのだと思います。
まとめ(ブランド設計すれば、労力を集中させることができる)
以上、森岡毅さん流の「自分をマーケティングせよ!」の実践例を紹介させていただきました。
「攻略する市場」の設定がイマイチですし、「HOW(どうやって)」がやや抽象的な感じになったかもしれません。
ですが、ブランド設計をつくってみたことで、自分がこれからどのような努力をすべきか、日々の仕事のなかで何に労力を割くべきか、方向性が見えてきました。このメリットはすごく大きいと感じています。
ちなみに、このブログは「7つの習慣」という自己啓発本の実践をテーマにしています。
今回実践した「自分のマーケティング(ブランド設計をつくること)」は、7つの習慣の中にある「終わりを思い描くことから始める」の習慣につながる考え方だと感じました。
「7つの習慣」も、とても有益な書籍ですので、未読の方は読んでみることをおすすめします。
この記事が誰かのお役にたてたなら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント